主な疾患│日本橋・東日本橋で病院・内科・外科をお探しの方は久松町まつうらクリニックまで

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★:第二・第四木曜、土曜は内視鏡検査のみ行っております。
休診日:木曜・土曜午後・日曜・祝日
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DISEASES主な疾患

部位別疾患DISEASES BY THE INTERNAL ORGAN

臓器や部位ごとの主な疾患と、当院での主な検査をご紹介します。
気になる症状がある場合には、まずはご相談ください。

食道

<主な働き>
約25センチの筋肉性の管で、食べ物をのどから胃へ送る働きをしています。
消化や吸収の機能はなく、筋肉の蠕動運動により、胃に食物を滑り込ませます。

疾病名 原因・治療法など 主な検査
逆流性食道炎 LINK
胃酸の逆流によって食道の粘膜がただれる病気です。主に胸やけや胃酸が上がってくる症状で、重症化すると胸の痛みや吐血の症状を起こすこともあります。原因は加齢や食生活の欧米化などにより、食道と胃のつなぎ目を絞める筋力が弱まるせいといわれています。胃酸を抑える薬の内服を続けることで症状は緩和されます。
胃カメラ検査
機能性ディスペプシア
近年、若年層に見られる疾病で、主に、食後に胃が膨れたような感覚や食事が流れていかないような症状が起こります。胃の不快な症状があっても、内視鏡や腹部超音波検査では異常が発見されない場合に疑われ、胃の運動能力の低下が原因です。内服薬での治療により症状が軽減するとされています。
胃カメラ検査
食道がん・咽頭がん
食事がつかえる、熱いものや冷たいものを飲み込んだ時に胸の奥がしみる、体重が減少する、胸が痛む、背中が痛む、声がかすれるなどがあります。但し、早期のがんは症状がないことが多いため、50才以上の男性でタバコやお酒を好む人は、ごく軽い症状でも検査を受けられることをお勧めします。
胃カメラ検査
食道粘膜下腫瘍
食道がんが食道の粘膜から発生するのに対して、食道の壁の内側から発生して粘膜を押し上げるように発育する腫瘍を食道粘膜下腫瘍といいます。腫瘍が表面に露出していないため内視鏡で生検することが難しい場合があります。2cm以上のものは悪性の可能性があるため、手術が必要になります。
胃カメラ検査
食道(胃)静脈瘤
主に肝硬変などにより、肝臓に流れるべき血液が食道や胃の方に流れることで静脈の瘤を作ります。圧力が更にかかると破裂するリスクもあり、命にかかわることもあります。肝臓の病気をお持ちで胃カメラ検査をしていない方はご相談ください。
胃カメラ検査
食道乳頭腫
主に下部食道に発生する、白色で1㎝以下の粒状・房状の隆起です。がんになることは非常に稀で、逆流性食道炎との関連性が強いとされています。若年者から高齢者まで幅広い年齢層で見られます。
胃カメラ検査

胃・十二指腸

<主な働き>
胃は、食道を通って入ってきた食べ物を蓄え、胃酸を分泌して食べ物を殺菌するとともに、
小腸で食物の栄養が吸収されやすくなるよう加工・分解します。
さらに、胃と小腸をつなぐ十二指腸で、肝臓からの胆汁、膵臓からの膵液などが分泌され、消化が促進されます。

疾病名 原因・治療法など 主な検査
胃・十二指腸潰瘍
胃・十二指腸に潰瘍ができるとみぞおちの痛みや嘔吐感を伴います。潰瘍の原因の多くがピロリ菌によるもののため、除菌治療をすることで再発のリスクは減少します。潰瘍が重症化すると吐血を起こすこともあるため、症状がある場合は早めの検査をおすすめします。
胃カメラ検査
萎縮性胃炎(ピロリ菌感染)LINK
萎縮性胃炎とはピロリ菌に感染した方の胃に特徴的な症状です。ピロリ菌によって胃潰瘍や十二指腸潰瘍を発症したり、長年ピロリ菌が生息することによって傷んだ状態から胃がんが発生します。またピロリ菌が生息していることで、胃の不調が継続することもあります。
胃カメラ検査
胃底腺ポリープ
胃底腺粘膜に5㎜以下のポリープが多発する症状で、主にピロリ菌に感染していない、30-40代の女性に多く見られます。無症状であり、癌化する可能性はほぼありません。
胃カメラ検査
感染性胃腸炎
ウイルスや細菌感染などにより、吐き気・みぞおちの痛み・不快感、下痢症状などが数日間続きます。重篤化することもあり、抗菌薬による治療が必要な場合もあります。
急性胃粘膜障害(AGML)
急激なみぞおちの痛みを伴う疾患で、胃粘膜が出血を伴ってダメージを受けた状態です。詳しい原因がわからないことが多いのですが、ストレスや薬剤によるとされています。重症の場合は粘膜出血によって吐血することもあります。
胃カメラ検査
アニサキス症
サバなどの生食後にみぞおちに強い痛みが出現した場合にこの疾患を疑います。アニサキスという寄生虫が胃の粘膜から胃内に侵入しようと潜り込み、アレルギー症状を引き起こすことで痛みを伴います。
胃カメラ検査
胃憩室
胃壁の一部が袋状に突出したもので、胃の入口(噴門部)に多く見られます。大きさは1-7㎝で、小さな憩室の多くは無症状であり、特に治療をする必要はありませんが、大きな憩室の場合には、食後の膨満感、胸の痛み、嘔吐、胸やけなどの症状があり、胃潰瘍や穿孔(孔があく)、出血などが起こることもあります。その場合には手術を行います。
胃カメラ検査
胃腺腫
胃の内側の表面にできる良性の病変です。主に、胃の表面でイボのように盛り上がり、周りと比べて色あせて白っぽく見えます。但し、大きさが2㎝以上のものや、凹んでいたり、赤く見えるものは、悪性の可能性が高いとされています。そのため、組織を採取して生検を行うことが必要です。
胃カメラ検査
胃粘膜下腫瘍
胃の粘膜よりも深いところにできる腫瘍です。腫瘍が小さい場合は症状がほとんどなく、大きくなってくると腫瘍が崩れて出血し、吐血や下血などの症状が出ることがあります。大きさが2cm以下の場合は内視鏡検査で経過を観察しますが、5cm以上の場合は悪性の可能性が高いため切除が必要となります。
胃カメラ検査
胃がん
胃がんは局所に留まっている時期に発見できれば、がんを除去して治すことができます。一方、がんが転移して全身に広がると抗がん剤などの治療も必要となります。なお、胃がんの原因として、ヘリコバクター・ピロリという細菌が関与していることが明らかになっています。
胃がんの症状には、上腹部の痛みや不快感、体重減少、嘔吐、吐血・下血、食欲不振などがあります。胃がんは早期には症状がないことが多いので、40歳以上の人や気になる症状があれば、積極的に検診を受けるようにしましょう。
胃カメラ検査
十二指腸がん
胃や大腸のがんと比べると頻度は非常に少ないですが、年間数例のペースで発見されます。前がん病変である腺腫、早期がんに関しては内視鏡での治療の適応となり、進行がんは手術となります。
胃カメラ検査

肝臓

<主な働き>
食べ物の栄養をエネルギーに変える「代謝」、アルコールなどの毒物を分解する「解毒」、
脂肪の消化を助ける「胆汁の分泌」の3つの働きをします。

疾病名 原因・治療法など 主な検査
慢性肝炎
(B型肝炎・C型肝炎・アルコール性など)
一度感染した肝炎ウイルスが定着し、軽い炎症が長期に起こり続ける状態を慢性肝炎といいます。炎症が起こっている状態を放置しておくと肝臓は徐々に線維化・硬化していき、肝不全や静脈瘤で命を落とす危険性がでてきます。またウイルス性慢性肝炎の場合はウイルスが再燃して急性肝炎となる場合もあります。長期的な肝炎は肝がんのリスクにもなるため注意が必要です。
急性肝炎
ウイルスや自己免疫などの影響で肝臓が急激な炎症を起こすことをいいます。一般的には点滴などの治療で改善することが多いですが、重症化すると命にかかわります。急性肝炎の初期症状は全身のだるい感じや軽度の黄疸です。早期に原因を突き止め処置することが必要となってきます。
脂肪肝
肝臓細胞の内部に中性脂肪が沈着した状態で、全肝細胞の30%以上が脂肪化している状態を指します。近年では、この脂肪肝が肝硬変や肝臓がんへと進行する可能性があり、さまざまな生活習慣病のリスクも高めることがわかっています。
超音波検査
肝血管腫
細い血管が無数に絡み合ってできた腫瘍状の塊が肝臓内に生じた状態です。スポンジのような構造で血液を多く含んでおり、大きさは4㎝以下になります。先天性の良性の腫瘍で、痛みなどの症状もないことから、特に治療は必要ありませんが、肝がんの可能性もあるため、定期的な経過観察をお勧めします。
超音波検査
肝のう胞
肝臓のなかに液体のたまった袋ができる症状です。多くは無症状で、数や大きさもさまざまです。ほとんどが先天性の良性ですが、大きくなれば、腹部腫瘤(しゅりゅう)の自覚、腹部膨満感、腹部鈍痛、胃部の不快感、吐き気などが現れることがあります。
超音波検査
肝膿瘍
肝臓内に膿の溜まりを形成することを言います。症状は右腹痛、発熱などです。抗菌薬治療で改善する場合もありますが、重症の場合は、体外から膿瘍を刺し、管を入れてドレナージ(膿などを排出)する必要があります。
超音波検査
肝硬変
炎症が長期にわたって続くことで、肝細胞の損傷と繊維化が起こり、肝臓の表面がゴツゴツと硬くなり凹凸状になった状態を指します。初期には自覚症状はなく、進行した段階で初めて黄疸や腹水がたまる腹部膨満、異常行動や昏睡を引き起こす肝性脳症、食道静脈瘤破裂による吐血などの症状が出るようになります。肝硬変は、肝がんの発生する危険性を高めます。
超音波検査
肝臓がん
ウイルス性/非ウイルス性肝硬変患者、C型/B型慢性肝炎の患者さんにおいては、肝細胞がん発症に対する定期的なスクリーニング検査(超音波検査)によって、早期発見に努めています。
超音波検査

胆のう

<主な働き>
肝臓で作られた「胆汁」を溜めておく臓器。
胆汁は胆管から十二指腸に流れ、脂肪の消化を助けます。

疾病名 原因・治療法など 主な検査
胆のう結石
胆汁を溜めて濃縮する袋である胆のうに、胆汁の成分やコレステロール成分が固まって石ができた状態を胆のう結石と言います。無症状であれば経過観察も可能ですが、痛みを伴う場合は治療の対象となります。また管に石が詰まってしまうと胆のう炎を引き起こします。
超音波検査
胆のう炎
胆のう結石などが、胆のうから流れ出る胆汁という消化液が通る胆のう管に詰まったり、その管がねじれたりする際に胆のうに炎症が起こることを言います。胆のう炎の状態になると、特に脂肪分の高い食事を摂取した後に、右肋骨下部に疼痛が発生します。重症の場合は炎症が広がって腹膜炎になったり、胆のうが破れてしまうことがあり、緊急手術が必要となります。
超音波検査
総胆管結石・胆管炎
胆のうや肝内胆管の中でできた結石が、総胆管(胆汁が十二指腸まで流れる経路)に詰まると総胆管結石という状態になります。症状としては腹痛、背部痛が主体となりますが細菌が繁殖すると胆管炎という状態になり強い炎症を起こします。高熱が出たり、重症の場合は敗血症性ショック(血流に菌が移行すること)になり、命にかかわる場合もあります。
超音波検査
胆のうポリープ
胆のうの粘膜にできる隆起です。良性のものがほとんどですが、大きくなって悪性化するものもあります。大きさが1㎝よりも小さく、数が多い場合は良性の可能性が高いため、経過観察を行います。一方、1㎝以上で隆起の少ないものは悪性の可能性があるため、詳しい検査が必要です。
超音波検査
胆のうがん
胆のうがんは胆汁を溜めて濃縮する袋である胆のうにできるがんです。肝臓やリンパ節転移の可能性が高いため、進行の早いがんの一つです。また積極的な検査をしなければ早期で見つけるのは難しいがんです。
超音波検査
胆管がん
胆汁の通り道にできるがんであり、肝内胆管・肝外胆管のいずれにも発生します。また、胆管が閉塞することによる黄疸を合併しやすい傾向があります。内視鏡や超音波を用いた検査により組織採取を行い、確定診断を行います。
超音波検査

膵臓

<主な働き>
多くの消化酵素を含む消化液「膵液」や、
血糖値をコントロールする「インスリン」を分泌します。

疾病名 原因・治療法など 主な検査
急性膵炎
多量飲酒や総胆管結石膵石などが原因で膵臓が炎症を起こすことを言います。膵臓で作られる膵液はあらゆる栄養素を消化でき、膵炎が起こると膵臓は自らの膵液で、膵臓そのものに障害をもたらします。症状はみぞおちから背部にかけての強い痛みが主体です。基本的には絶食や点滴、抗菌薬などによる集中治療が必要になります。多量飲酒後などにみぞおちの強い痛みがある場合はすぐに受診するようにしましょう。
超音波検査
慢性膵炎
長年の飲酒習慣や高脂肪食、遺伝性の要因などで膵臓が慢性的にダメージを与えられている状態です。消化液である膵液の分泌量が減少したり、慢性的なみぞおちから背部の痛みがあったり、膵石ができたりします。また慢性膵炎は膵臓がんのリスクが上昇します。慢性的なみぞおちから背部の痛みがある方はご相談ください。
超音波検査
自己免疫性膵炎
自分の免疫機能によって自分の臓器を傷つけることで起こる膵炎です。詳細は分かっていませんが、慢性・急性膵炎と同じような症状を起こします。また膵管が細く狭くなり、膵液が流れにくくなることで痛みが起こります。確定診断には膵組織の採取が必要になり、ステロイド薬の内服にて症状は改善します。
超音波検査
膵石
膵管内に形成された結石で、慢性膵炎の合併症として多く見られます。一般的には、初回の膵炎発症から約5年経過したころに発症し始めます。膵管内にはまり込んだ膵石が膵液の流れを悪くすることで、腹痛や急性炎症を引き起こします。
なお、膵石が原因となって痛みや発熱、炎症が引き起こされる状態を膵石症といいます。飲酒後・食後の腹痛、背中の痛み背部痛として現れ、腹痛が強い場合には前かがみの姿勢をとると楽になる特徴があります。その他、吐き気、嘔吐、食欲不振、体重減少などがみられます。
超音波検査
仮性膵のう胞
急性膵炎の際などに、膵周囲に溜まった浸出液や漏れ出た膵液が貯まり、水ぶくれのような状態になることです。腹痛の症状が出たり、内部の液体が感染して発熱したりすることもあります。
超音波検査
膵のう胞性疾患(IPMN・MCN・SCN・SPNなど
膵臓にできる、粘液や漿液といった液体を貯めた水膨れのような腫瘍性の病変の総称です。さまざまな種類ののう胞性疾患があり、中には悪性で手術が必要になるものもあります。
超音波検査
膵臓がん
40歳代から70歳代の中高齢者に多く発症しています。 膵臓がんは早期に診断することが困難で、膵臓周囲だけではなく遠く隔れた部位へも転移をしやすく、さらに化学療法や放射線治療が効きにくいことから、治りにくいがん(難治がん)の代表とされています。
膵臓がんの症状としては腹痛や黄疸、また腰や背中の痛み、食欲不振、体重減少などがあります。
超音波検査

脾臓

<主な働き>
血液中の老化した赤血球を破壊・除去し、
病原菌や細菌に対する抗体を作ったり、新しい血液を溜める働きをします。

疾病名 原因・治療法など 主な検査
脾腫
脾臓が通常より腫大している状態です。肝臓や血液の疾患、感染症などが起因します。
超音波検査
脾のう胞
脾臓のリンパ管や血管が変化したり、外傷、感染、梗塞などが原因となって脾臓の中に袋を作ります。
超音波検査
副脾
生まれつき脾臓の周りに、脾臓と同じ働きをする小さな塊がある状態です。特に問題はありません。
超音波検査
脾血管腫
毛細血管が増殖してできた良性腫瘍です。大きさによっては精密検査が必要となります。
超音波検査

腎臓

<主な働き>
血液をろ過して老廃物や塩分を尿として体外へ排出します。
さらに、体内の水分量や塩分・カリウムなどの電解質の濃度を調整しています。

疾病名 原因・治療法など 主な検査
腎委縮
腎不全などが原因で、腎臓が小さくなってしまう状態をいいます。
超音波検査
腎盂拡張(水腎症)
腎臓の中に尿がたまり、膨張した状態です。原因として尿管結石や尿管腫瘍などが考えられます。
超音波検査
腎血管筋脂肪腫
血管・筋・脂肪から構成される、発生頻度の高い良性腫瘍です。大きい場合は出血の危険性もあり、外科的手術の適応となることがあります。
超音波検査
腎結石
腎臓にできた結石のことです。小さければ自然排出や経過観察で様子を見ることになります。
超音波検査
腎のう胞
腎臓にできた液体が入った袋状の組織です。加齢とともに発生頻度が上がりますが、特に問題はありません。多発性の場合、経過観察となります。
超音波検査
腎臓がん
50歳代で最も多く、男性は女性より約2倍の発生率です。腫瘍が大きくなると血尿やお腹のしこりやわき腹の痛みなどが現れますが、小さいうちは多くの場合症状がありません。サイズが大きくなるにつれて治癒率は下がるため、小さいうちに超音波検査などでの早期発見が大切です。
超音波検査

大腸

<主な働き>
小腸で栄養分を取り除いたあとの残りカスで便を形成します。
腸管の壁から水分などを吸収して便を固くするとともに、粘液を分泌してなめらかにします。
また、腸内細菌により全身の免疫機能をコントロールします。

疾病名 原因・治療法など 主な検査
感染性腸炎
ウイルスや細菌感染などにより、吐き気・みぞおちの痛み・不快感、下痢症状などが数日間続きます。重篤化することもあり、抗菌薬による治療が必要な場合もあります。
腸閉塞(イレウス)
腸管の流れが途中で遮られることで食事が流れていかず、腹痛、嘔吐症状を伴います。手術後の癒着が原因で生じる癒着性イレウスが多いですが、その他部位の炎症によって生じる麻痺性イレウスや小腸や大腸の腫瘍や狭窄により生じる閉塞性イレウスなどもあります。小腸が捻じれる絞扼性イレウスでは緊急手術を行わないと命にかかわるケースもあります。急激な嘔吐、腹痛症状が出現した場合はご相談ください。
大腸憩室
大腸内の圧力などで、大腸粘膜に洞穴のような凹みができる状態で、粘膜が引き延ばされて薄くなっています。そのため、出血しやすい状態にあり、この洞穴に便が詰まったりすることで感染を起こします。炎症が強くなると穴が開く場合もあり、緊急手術が必要になります。原因のない腹痛や急な鮮血便が出る場合には早めに受診するようにしましょう。
大腸カメラ
虚血性腸炎
小さな血管が攣縮したり、詰まったりして一時的に大腸の血流が低下した際に粘膜に障害が起こり、腹痛・下血の症状がでます。ほどんどが左側の腸で起こるので左下腹部の痛みや下血の症状がある場合には、この疾患の疑いがあります。内科的治療で良くなりますが、重症の場合は手術が必要になる場合もあります。
大腸カメラ
炎症性腸疾患
(潰瘍性大腸炎・クローン病・ベーチェット病)
ヒトの免疫機構が異常をきたし、腸の細胞を攻撃してしまうことで炎症を起こす病気です。1日数回から数十回の下痢や下血、腹痛、発熱などが主な症状です。各疾患で炎症の範囲や病状は少しずつ違いますが、内視鏡により診断ができ、生検による組織検査で確定診断することができます。
大腸カメラ
過敏性腸症候群
定期的な腹痛や慢性的な下痢や便秘があり、大腸検査をしても異常がない場合はこの疾患の可能性があります。詳しい原因はわかっていませんが、ストレスや心理的な要素が強い病気と言われており、緊張したりして腹痛があったり、下痢になったりするのも、この症状の一つと言われています。
大腸カメラ
虫垂炎
盲腸の先についている虫垂という細長い臓器が感染を起こし、みぞおちから右下腹部の疼痛や発熱、重症化すると穴が開いて腹膜炎を起こします。基本的には手術治療が必要です。右下腹部痛が続く場合は早めに受診しましょう。
大腸潰瘍
大腸の潰瘍は、痛みがないことがほとんどです。主に直腸に多く、座薬などが原因となることもあります。出血したり、腸管に穴が開くこともあるため、内視鏡での診断によって適切に治療することが重要です。座薬を使用している方で赤い便が出るようなことがあれば、ご相談ください。
大腸カメラ
大腸ポリープ LINK
消化管の粘膜から発生し消化管内に突出した組織をポリープと呼びます。大腸がんの多くは、粘膜に生じた良性のポリープが悪性化することで発生すると考えられています。そのため、ポリープが悪性化する前に、内視鏡による日帰り手術で切除することをおすすめします。サイズや範囲が大きな病変に関しては、入院のうえで外科的処置ができる高次医療機関をご紹介します。
大腸カメラ
大腸がん
大腸がんは近年我が国で増加しているがんであり、その要因としては、ライフスタイルの変化による運動不足や食の欧米化による肥満があげられます。
大腸がんの症状としては、血便や便秘、下痢、便が細い、お腹が張るなどがあります。このような症状がある場合は大腸の検査を受けることをお勧めします。しかし、大腸がんの場合も早期の段階では症状がないことが多いので、40歳以上の人は大腸検査を積極的に受けるようにしましょう。
大腸カメラ
直腸カルチノイド
カルチノイドとは「がんのようなもの」という意味です。神経内分泌腫瘍とも呼ばれる、特に直腸の粘膜下に発生する腫瘍です。黄色いツルリとした隆起で、血管が目立つのが特徴です。1㎝以上になるとリンパ節への転移の可能性が高くなるため外科手術が必要となります。
大腸カメラ
大腸メラノーシス
大腸粘膜に色素が沈着し、大腸が黒くなった症状です。主な原因は、アロエ、センナ、ダイオウを含む下剤の多用・乱用とされます。下剤の刺激によって大腸の粘膜細胞に少しずつダメージが蓄積されて色素の沈着が起こります。約1年、下剤の服用をやめることで色素は消失します。
大腸カメラ
ヘルニア
いわゆる“脱腸”です。鼠径ヘルニア・閉鎖孔ヘルニア・大腿ヘルニアなどの種類があり、隙間から腸が腹壁の外に出てしまうことを言います。症状がない場合は経過観察も可能ですが、穴に腸管がはまり込んでしまうと緊急手術が必要になります。立った時や腹圧をかけたときに鼠径部に違和感がある場合はご相談下さい。

肛門

<主な働き>
便とおならをコントロールしながら、排出する働きをします。
大腸から送られてきた便を一時的に貯留するとともに、
便が漏れないように閉鎖、そして便を排泄する機能を併せ持ちます。

疾病名 原因・治療法など 主な検査
内痔核(イボ痔)
皮膚と直腸の境目から内側の粘膜にできるものを内痔核といいます。
内痔核は、肛門の壁がたるんで膨らんだ状態です。排便時に痔核に傷がつくと、そこから血が滲み出たり、出血します。通常の内痔核では鈍痛程度で、薬による治療を行いますが、肛門から痔核が外に出る(脱出)の程度によっては、外科的治療が必要になります。
外痔核(イボ痔)
皮膚と直腸の境目より外側の皮膚側にできるものを外痔核と言います。皮膚内側の血管が集まった部分がうっ血し膨れた状態です。皮膚は粘膜に比べて伸びにくいため、痛みや出血などがなく、気にならない場合には特に治療の必要はありません。一時的な痛みや腫れには薬による治療となります。一方、強い痛みを伴う大きな膨らみや元に戻らない変形は外科的に切除する治療を行います。 なお、外痔核のうち、静脈の中に血栓(血のかたまり)ができた状態を血栓性外痔核といいます。
痔ろう(アナ痔)
肛門の内側にある窪み(肛門陰窩)から細菌が侵入し、これにつながる肛門腺に感染を起こし、肛門内から外の皮膚側まで膿の通る管ができた状態です。肛門の周りの小さな穴から膿が出たり、湿疹ができたり、かゆみや痛みを伴うことがあります。自然治癒は少なく悪化するケースが多いため、手術が必要となります。
裂肛(切れ痔)
肛門上皮に生じた裂傷のことで、俗に「切れ痔」・「裂け痔」と呼ばれています。多くは便秘による硬い便や太い便が原因となります。
硬い便が出た時にできる浅い急性裂肛と、長い経過の中で繰り返されて、肛門潰瘍や肛門ポリープを伴う慢性裂肛に分類されます。症状に応して、投薬治療または外科的治療となります。
肛門周囲膿瘍
肛門周囲が腫れて膿が溜まった状態です。ほとんどの肛門周囲膿瘍は肛門内に存在する窪み(肛門陰窩)に便中の細菌が侵入し、発生します。症状は痛み、腫れで、ときに高熱(38~39℃)がでることもあります。軽度であれば、抗菌薬内服で軽快する場合がありますが、ほとんどの膿瘍は痔瘻へ移行し、手術が必要になります。
肛門周囲炎
肛門やその周りの皮膚がただれる病気です。排便後の肛門の拭きすぎや下着のこすれなどによる接触性の皮膚炎や内痔核の脱出により腸液が漏れて肛門がただれることも原因となります。またカンジダなどのカビ(真菌)、インキン・タムシ(股部白癬症)が原因の場合もあります。肛門の皮膚が荒れてくると浅い切れ痔状態になり、痛かゆさが増します。
膿皮症
肛門周囲の皮膚が化膿する慢性の皮膚炎であり、肛門周囲の汗腺(皮膚の表面まで通じていて、汗を出す腺)が細菌感染することによって発生します。若い男性に多く、熱感、かゆみにはじまり、次第に痛み、腫れが出てきます。皮膚が感染により分厚く、硬くなり、黒色に変色します。根本的には、溜まった膿を切開して出し、病変部を切除する手術が必要です。
肛門ポリープ
皮膚と直腸の境目近くに発生するポリープ状の突起で、腫瘍性の大腸(直腸)ポリープとは異なります。排便の刺激を受けて硬くなったもので、小さいうちは無症状ですが、大きくなると排便時に脱出し、繰り返すと根元部分が裂けて痛みや出血を生じます。大きいものや裂肛、痔核を伴っている場合は、根治手術が必要になります。
直腸粘膜脱
直腸粘膜の一部が伸びて肛門外に押し出されたもので、重症化すると排便時だけではなく常に脱出した状態になります。長期間の便秘や過度のいきみなどにより直腸の粘膜がたるんで起こります。
直腸粘膜は皮膚とは異なり、柔らかく傷つきやすいため、粘液で肛門の周りがベタつく、粘液や血液が下着に付くなどの症状があります。薬などの治療で改善しない場合には、手術治療が必要になります。